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「呉竹 顔彩耽美」部門でグランプリを受賞した富田さくやさんに、コンペ応募のきっかけや、受賞作品の制作裏話などのお話をお伺いしました。

グランプリ受賞作品「龍を背負って」
山井:富田さんグランプリ受賞おめでとうございます!グランプリを受賞されたお気持ちをお聞かせください。
富田:呉竹さんは、かなり有名なメーカーなので無理かなと思っていましたが、まさかグランプリを受賞するとは思わなかったです!
山井:改めておめでとうございます!
早速ですが、富田さんの経歴についてお伺いします。いつ頃からイラストや絵を描き始めたのでしょうか?
富田:子どもの頃に気づいたら描き始めていたのですが、本気で描き始めたのは中学校3年生のときです。
山井:本気で描き始めたというのは部活に入られたのでしょうか?
富田:何かに入ったとかではなくて、ずっと田舎にいて学校では1番上手いと思っていたんですけど、やはり高校に入ったら人数も多いし、井の中の蛙にならないかなと心配になったのでそこから本気で描き始めました(笑)
山井:高校への進学を機に、本格的に描き始められたのですね。進学された高校ではどのような活動をされていますか?
富田:普通科の高校で、マンガイラスト同好会に所属していました。
そもそも、私が入学した時にマンガイラストを書ける場所がなかったので、私が同好会を設立して会長を務めていました。同好会は後輩に引継ぎ、今も続いています。
山井:同好会を立ち上げられたバイタリティーが絵に対する思いの強さを感じます。
ちなみに、今回このコンペに応募したきっかけはなんでしょう?
富田:高校を卒業することからもう引退しましたが、マンガイラスト同好会に所属していた時に「みんなで応募できるコンペ」を探していました。
2022年度の水彩アートコンペを見つけてはいましたが、締切り後だったので2023年を待ち構えて応募しました。
山井:待ち構えてくださっていたんですね。ありがとうございます!
山井:今回のグランプリを受賞された作品では、女子学生が来ている上着の背中面に龍が描かれており、女子学生の伏し目がちな表情がとても印象的で余韻が残る作品でした。
作品のテーマや表現しようと思われた世界観・題材があれば教えてください。
富田:顔彩耽美で描こうと決めていたのと日本画っぽくしようと思い、見返り美人の構図にしました。
いかつめの龍が描かれたジャケットと制服を着た女の子の組み合わせというのが、すごいベストマッチだなと思ったのと、真面目そうな女の子にすることで、強がりなところを見せておきたいなと思い描きました。
山井:日本画を意識されたということですが、実は審査員の中でも作風が「日本画のような世界観を感じる」との意見がとても多かったです。
富田:一時期日本画にはまっていて、日本画は工程も多く道具が揃わなくて、習うまではいかなかったのですが、憧れてはいたのでその影響かも知れません。
山井:作品に描かれている女子学生については「真面目そうな女の子の強がりなところを見せたい」と思春期の女子高校生の心の葛藤や、社会や周りに対する強がりといった微妙で繊細な描写を描かれていたのですね。
ちなみに後ろに描かれている花はどうして描かれたのですか?
富田:描いた花は源平神楽(げんぺいかぐら)という花で、最初は色味が丁度いいなと思っていましたが花言葉が『個性の強さ』という意味があり、今回の作品にマッチすると思い描きました。
山井:この花を選ばれた理由がしっかりあるのですね。
ちなみに、作品を描くにあたって難しかったことがあれば教えてください。
富田:一時期絵画教室に通っていて、教室の先生から「背景色と肌色が馴染んでしまうから、ちょっと違うようにしても良いのではないか?」と言われたのですが、輪郭部分をはっきりさせたりして何とか馴染まないようにするのが難しかったですね。
山井:なるほど。確かに輪郭がはっきりと描かれていますね。

背景色と肌色が馴染まないよう
はっきりと描かれた輪郭

源平神楽(げんぺいかぐら)
山井:顔彩耽美の使い心地はどうでしたか?よく使った色などあれば教えてください。
富田:発色もすごく良いですし、違う色を重ね塗りしても、定着が強く溶けないところが良いですね。
色は紅(べに)・臙脂(えんじ)・朱(しゅ)・白群(びゃくぐん)・藍・黒・岱赭(たいしゃ)・浅葱(あさぎ)・黄土(おうど)・黄草(きぐさ)・青草(あおくさ)・金・白緑(びゃくろく)を中心に描きました。
山井:多くの色を使用してくださっているのですね。ありがとうございます。
最後に今後の目標や抱負・将来の夢があれば教えてください。
富田:2024年の春から専門学校のマンガ専攻に進学して、マンガについていろいろ学び、ゆくゆくは漫画家でプロデビューきればと考えています。
まずは、読み切り作品が単行本になるまでが第一目標です。実はもうすでに、とある専門学校マンガコンテストに応募した10ページ程のマンガで、賞をとらせていただきました(笑)。このままの調子で頑張っていきたいと思います。

マンガコンテストで受賞した作品
「青春の王様」
山井:すごいですね!ちょっとずつ夢に近づいてきていませんか!?
富田さんの今後のご活躍を心より応援しております!お時間ありがとうございました。

ZIG クリーンカラー リアルブラッシュ で描かれた作品
題名:待ち人
作品に対する想い:誰かを待っている大正時代の女の子を描きました。待っている人は女の子が持っている帽子や上着の持ち主で、時代的にも戦争等でなくなっているかもしれないし、もしかしたらフラッと帰ってくるかもしれないという曖昧な状況だけど、その人を静かにひたすら待っているという設定です。この作品はあるコンペに提出するために描いたものでリアルブラッシュ6色だけで描くという制限があり、色選び等が難しかったです。

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